小林政広監督 × 「バッシング」 鑑賞記
去る11月20日、有楽町朝日ホールで「第6回東京フィルメックス映画祭」が行われ、「キャリア&転職研究室」の「魂の仕事人」にもご登場いただいた、小林政広監督の「バッシング」が上映されましたので、揃って行ってまいりました!見終わった後のスタッフ2人の掛け合いをご覧ください!
(山・ダイビング好き 久・アイドル好き)
山 「東京フィルメックス2005」で上映された小林監督の『バッシング』、どうだった?
久 いやーとても面白かったですよ。尺の短い作品でしたがとても印象に残りました。
山 どういうところが?
久 前作の「フリック」は「自分とは遠い場所でのフィクション」として観たのですが、今回の「バッシング」は初めに大きく「この作品はフィクションです」と表示されたにも関わらず、題材が実際に起きた事を基にしているので妙にリアルでした。「ノンフィクションを匂わすフィクション」というカテゴリーで、異色の作品という雰囲気が作品全体から感じられましたね。
山 なるほど。これまでの小林監督の作品、全部観てるんだけど明らかに作風が違うよね。これまではエンターテインメントにこだわるというか、絵作りとかストーリーとか凝りに凝って作ってたんだけど、今回はお得意のカメラ固定ロング長回しとか全然なかったし、話も二転三転するということもなかった。ごくごく自然に話が進んでいったよね。
久 淡々と進む話が実は一番リアルなんですよね。実際我々の生活って同じような日々の繰り返しですし。そんな世界が展開されたので観客側も抵抗無く受け入れる事ができる。だからこそ世間からバッシングに遭う主人公と、その周りを取り巻く環境にもすんなり感情移入することができました。また無駄なセリフも演出もBGMもなく、内容に集中して観る事ができましたね。
山 そうだよね。淡々としてるけど決して退屈じゃなく、主人公に感情移入できるというか。個人的には主演の占部房子さんの演技が最高だったな。あの自然体の演技なんだけど、痛みとか苦しみとかがリアルに伝わってくるというか。
久 既に帰国後という設定でしたし、相当役作りも難しかったと思いますが本当に素晴らしい演技でしたね。特に後半、自分を必要としてくれる場所がここにはないと涙ながらに訴えかけるシーンは見事でしたよ。あと父親役の田中隆三さんも素晴らしかったですね。
山 日本人の病理も大事なテーマのひとつなだけに、もっと多くの日本人に観てもらいたいよね
久 そうですね。ある意味メディアを含めた日本社会を象徴するような作品なので、多くの方に観ていただきたいです。でも今現在まだ配給会社が決まっていない状態なんですよね……。監督も仰られていましたが政治的主題ではないワケですし、もっとオープンに受け入れてもらいたいです。カンヌに出品された日本映画を日本で観られないなんて寂しい事ですからね。
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