【取材裏話】窪田等氏インタビュー

先日、「魂の仕事人」第30回・窪田等さんインタビュー全6回が配信終了しました。今回は、窪田さん取材の裏話をお伝えしようと思います。


■窪田さんを選んだ理由
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 そもそもは、私自身、かなり以前から『情熱大陸』のファンだったということがベースにあります。番組自体が、観ると働く勇気、生きる勇気が沸いてくる、非常に上質なヒューマンドキュメンタリー(人選・取材・原稿)ですが、特にナレーターが秀逸だと思っていました。

 聞き取りやすいはっきりとした滑舌・発音、正しい日本語の使い方、心地よい耳障り、場面場面によって微妙に変わるトーン、抜群の安定感、すーっと心の中に入ってくる感じ、ずっと聞いていたい声・しゃべりなどなど、とにかくすごいナレーターだなと思っていたんです。明らかに他のナレーターとは一線を画すと。

 どうして窪田さんはこんなしゃべりができるのか。その理由を知りたいと思っていました。

 でも、自分だけがすごいと思ってもひとりよがりな記事になる危険性が高くなるので、取材を申し込む前にとりあえずネットで調べてみました。「窪田等」で検索すると、一般の人が書いているブログが多数引っかかって、読んでみるとみんなが窪田さんのナレーションを絶賛していました。

 やっぱり自分だけじゃないんだ、これはいけると思い、所属事務所の「株式会社シグマ・セブン」さんに取材のお願いをしたところ、快諾。「窪田さんの生声を聞ける」と思わずガッツポーズをしてしまいました。


■取材:熱く、至福のひととき
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 取材場所はシグマ・セブンさんが主宰する声優塾・四谷のDOAを指定されました。取材当日、いよいよ憧れの人に会えると、どきどきわくわくしながら取材現場へ。

 インタビュー場所に案内されると、そこには満面の笑みを浮かべた優しそうな紳士が。窪田さんです! 

「本日はお忙しいところ、取材をお受けくださってありがとうございます」と挨拶すると、「ほんとに僕なんかでいいんですかね」と窪田さん。こんなにすごい人なのに、どんだけ腰が低いんだ!とのっけから感動。そしてもちろん、窪田さんのナマ声に感動。ああ、低音の落ち着いた、まさしく『情熱大陸』のあの声だ。窪田さんのナマ声がこんな至近距離で聞けるなんて……。自動的に脳内にエトピリカが流れました。

 うっとりとしているばかりでは仕事になりません。心のふんどしを締め直し、インタビュー開始。窪田さんの口から語られる話のおもしろさに、開始10分で、やっぱり自分の人選に間違いはなかったと確信しました。

 驚いたのが、こちらの質問に超的確にわかりやすく、瞬時に応答してくださったこと。通常のインタビューの場合、2時間取材してもその3分の1は使えなかったりすることが多いのですが、そのすべてがカットしたくないと思わせる内容だったのです。

 さすが喋りの達人だなと思うと同時に、取材慣れしているのかなと思ったのですが、後で聞くと滅多に取材を受けることはないとのこと。これにもびっくりしました。やはり、こと「しゃべり」においては、なんでもこなせるプロなんだなあと改めて窪田さんのすごさを感じました。

 当初、インタビューは2時間の予定でお願いしていたのですが、2時間経過した時点でも、まだまだお聞きしたい質問が山ほど残っていました。ですので、申し訳なさを感じつつも延長のお願いをしたところ、嫌な顔ひとつせず了承してくださいました。

 結局取材が終わったのは、当初の予定時刻よりも1時間後でした。

 取材中は、仕事に懸ける熱意、己の仕事道を極めんとする真摯な姿勢に職人としての凄みを感じ、何度も鳥肌が立ちました。頭の中に浮かんだフレースは「求道者」。尊敬の念を抱くと同時に、仕事人・職業人としてこうありたいと強く思いました。

 終了後はその話のすべてがおもしろく、ためになるものだったので、これは全5回じゃとても収まらないなと思っていました。


■記事制作:苦悩の連続
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 インタビューは至福の時間でしたが、執筆者としてはここからがたいへんです。音声データを文字に起こした文量は、この連載開始以来初めて4万5000字を超えました。

 原稿執筆時は取材時に感じた窪田さんのすごさを伝えるために、どう書くのが一番効果的なのか、特に構成にものすごく悩み、何度もやり直しました。

 文字に起こした段階で5回には収まりきらないであろうことは明白でしたが、それでも本当に全6回にしていいものか、悩みました。ナレーション技術に関するディティールや、あるエピソードはカットすべきかとも思いましたが、そういうディティールやエピソードの一つひとつに窪田さんの人柄や生き様、働き様がにじみ出ているような気がしました。だから読者にとってもすべて出した方がいいと判断しました。かくして、「魂の仕事人」初の6回シリーズとなったのでした。長かっただけに、原稿が出来上がったときの達成感もひとしおでした。


 原稿作成後、2度にわたって膨大な量の原稿を窪田さんご本人とマネージャーの川村さんにチェックしていただきましたが、大筋では修正が入りませんでした。内心、ここはNGになるかも…と思っていた箇所もあっただけに、すべてがOKとなり、ほっとしたと同時に、窪田さんや事務所の懐の深さにも感服しました。

細かい点に関しては、後日お時間を取っていただき、解説つきで修正の指示をいただきました。おかげさまでナレーションの歴史についてより理解を深めることができました。

 この場をお借りして、窪田さんと川村さんに厚くお礼を申し上げます。お忙しい中、長時間に及ぶ取材から数度にわたる校正まで多大なるご協力を賜り、本当にありがとうございました。


■読者:こんな人に読んでほしい
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 特に、今の仕事を極めたいと思って頑張っている人、逆に夢をあきらめるべきか悩んでいる人、本当はやりたいことがあるのに、「川」の手前で立ち止まっている人などに読んでほしいと思っています。

 窪田さんの熱い言葉の数々から、きっと次の一歩を踏み出す勇気がわいてくるはずです。

よろしくお願いします。

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■関連リンク
情熱大陸タイムズ

(担当:山下久猛)

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