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『魂の仕事人』書籍化! 「魂の仕事人」に対する思い[前編]

連載インタビュー企画「魂の仕事人」の書籍化が決定しましたというブログを書いてから、ちょうど1ヵ月後、見本が届きました。

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【書籍概要】
●書名:『魂の仕事人 限界に挑み続ける14人の異端者たち』
●編者:株式会社アイ・キュー【人材バンクネット】編集部
●発行:株式会社河出書房新社
●仕様:B6版 256ページ
●定価:1,470円(税込み)
●発売:2008年7月14日


今回は『魂の仕事人』に対する私の思いを2回に分けて書こうと思います。(前半だけでもかなり長いですがご容赦ください)


誰がどの章に入っていてもおかしくない

 「魂の仕事人」は2005年7月に転職支援サイト【人材バンクネット】内のいちコンテンツとして始まりました。各分野で活躍している人々の「働くということ」にまつわるインタビュー企画で、丸3年で32人(2008年7月現在)の仕事人の方々に登場していただきました。書籍化第1弾の今回は、そのうち12人の仕事人の方のインタビューを再構成、追加取材、仕事人の皆さんの手で最新情報を追加していただき、さらに、Web未掲載(2007年7月現在)の2人を含む14人の仕事人の熱い「生き様・働き様」を収録しました。

 書籍化に当たっては、より際立った個性・特色に合わせて、
・第1章 業界の掟破り! 型にはまらない仕事人
武装解除人 伊勢崎賢治/三鷹光器株式会社会長 中村義一/ドキュメンタリー作家 森達也

・第2章 地獄のどん底から這い上がった仕事人
作家 雨宮処凛(※書籍先行発表)/映画監督 小林政広/元アナウンサー 藪本雅子/元プロボクサー 坂本博之

・第3章 世のため、人のために命を懸ける仕事人
弁護士 宇都宮健児/ハイパーレスキュー隊隊長 宮元隆雄/心臓外科医 須磨久善

・第4章 お金に左右されることなく突き進む仕事人
株式会社サンズエンタテインメント代表取締役 野田義治/バトントワラー 高橋典子(※書籍先行発表)/東池袋大勝軒初代店主 山岸一雄/編集家 竹熊健太郎

と、4つのタイプにわけましたが、この本に登場するすべての人が、型にはまらず、地獄のどん底から這い上がっており、社会のために命を捧げており、お金ではなく我が道を追及している仕事人です。つまり、誰がどの章に入っていてもおかしくない、素晴らしい仕事人たちなのです。

そもそもの理由

 この企画を立ち上げようと思った動機は、労働ビッグバンによる雇用の流動化や、終身雇用制や年功序列の崩壊による働き方の多様化など、変化の激しいこんな時代だからこそ、もう一度働く意義を見つめ直したい──などといったことでは全然ありません。

 そもそもは、私自身の「仕事とは何か、働くとはどういうことか」という至極私的な疑問から始まりました。人生の中で最も多くの時間を占めるであろう仕事の時間を幸せに過ごせるなら、人生はきっと幸せになるはずだ。そのためには、己の魂が欲する、やりたいことをやるのが一番なのではないか。少なくとも嫌なことややりたくないこと、全く興味のないことをするよりは、ましなのではないか。そんな思いでした。

 しかし、自分の本当にやりたいこととは何なのか、自分にとって仕事とは、働くということとはどういうことなのか、幾度となくブレたり、悩んだり、迷ったりしてきました。そして、この問いは、私だけではなく多くの社会人に共通するものだと、いち社会人としてのこれまでの経験から痛感するようになりました。

 その答えのヒントを、各分野で生き生きと、魂を込めて仕事をしている人なら与えてくれるかもしれない。彼らのこれまでのキャリアの歩み、仕事に対する思い、生き様、働き様から学べるものは多いはずだ。さらに、いち編集者としてはそんな人のインタビューは読み物としても絶対におもしろいはずだという思いもありました。

なぜ転職支援サイトで「魂の仕事人」?

 この「魂の仕事人」の中には、人材紹介会社を利用したことのない人はもちろん、一度も転職をしたことがない人、さらには一度も会社員になったことのない人すらもいます。そして、普通の人には到底就けないような職業の人もいます。転職サイト、しかも人材紹介会社のポータルサイトでなぜこの企画? この人選? この内容? と思った人も多いでしょう。

 それは、転職支援サイトの編集者として仕事をしていくうちに、また、私自身の幾度かの転職を通じて、転職を考える前に「何のために働くのか」という働く上で、また生きる上で軸となる「仕事観」を固めておく必要があるのではないかと痛感するようになったからです。

 つまり、働くにしても、転職する・しないにしても、その根底に「働くということ」に対する思い、「仕事観」がある程度固まっていないと、納得できる転職どころか、自分らしい生き方・働き方もできやしないのではないかと。逆に言うと、自分ならではの仕事観が固まっていたら、転職するにしても後悔のない転職ができる可能性が高まるだろうし、自分らしい生き方・働き方ができるのではないかと。

 転職はあくまで、それ自体が目的ではなく、納得のいく、幸せな人生を送るための手段です。その土台となる、人それぞれの仕事観を構築するヒントとなる記事を作りたい。ならば、転職した経験の有無や、会社員の経験の有無や、一般的な職業であるか否かは関係なく、幾度かの挫折を経験し、それでも強い思いを込めて仕事をしている人、自分ならではの仕事観を確立している人、我が道を追い求め、それが「結果的に」世のため人のためになっている人の仕事観・人生観・生き様・働き様を伝えることが、生き方、働き方に迷っている人たちの何らかの役に立つはずだという思いで、「魂の仕事人」を立ち上げ、連載を続けてきたというわけです。

人選がキモ!

「魂の仕事人」のテーマは働くということ、想定読者は仕事や人生について考えたり、悩んだりしている人です。だからこそ最も重視したのは、どういう人にインタビューをお願いするか、いわゆる「人選」です。これがこの企画の生命線だと企画立ち上げ当初から思っていました。だけど、根本的な人選のキーワードはシンプルなものでした。

 それはずばり「すごい人」です。自分の好きな仕事に「すごく」のめり込んでいる、仕事に懸ける熱意が「すごい」、絶望からの立ち上がり方が「すごい」、その仕事が「すごく」他人や社会のためになっているなどなど。「すごい」ということは「過剰である」ということでもあります。この「そこまでやるか」と思わずにはいられない過剰さの中に、人の心を動かす何かがあると思うのです。

 例えば、ある仕事人は自分の体がぼろぼろになっても、自分がやりたいと思う仕事に打ち込むことをやめませんでした。そのせいで今ではひとりで歩くことすらままなりません。その代償として巨万の富を得られたわけでもありません。しかし彼は断言します。後悔など微塵もないと。

 この『魂の仕事人』に登場しているのは、そんな人々です。自分の魂の声に真摯に耳を傾け、己の道を追求し、その仕事が大勢の人のため、社会のためになっている人々です。

 この本をこれからの働き方、生き方について考えている、ひとりでも多くの人に読んでいただきたいと願っています。

(担当:山下久猛)

●後編はコチラ

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